お湯を沸かすだけで自然に鉄分補給できるのも嬉しいポイント。鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかで一味違います。
内部にホーロー加工などが施されていない南部鉄器の鉄瓶は、ちょっぴり手のかかる存在ではありますが、それだけに育てていく過程も楽しめ、使うほどに愛着がわいてきます。「鉄瓶 小丸」は、ころんと丸く愛らしい形が魅力的。見た目にもお気に入りの鉄瓶なら、使うのがよりいっそう楽しくなりそうです。
実用性と機能美を兼ね備え、長い時間をかけて土に帰っていく、そんな身体にも環境にもやさしい鉄器を毎日のくらしにどうぞ。

鉄瓶は沸き易さにおいて他のケトルと変わりません。冷めにくいという利点があります。
鉄瓶の内部は塗装やホーロー加工はしてありません。なので、鉄分補給に最適です。沸かした時の水分に含まれる鉄分は、身体に吸収されやすいイオン化した二価鉄であることが証明されています。

鉄瓶の使い方
まず中を軽く水洗いし、ふたを開けたまま、弱火で茶葉(煎茶・緑茶など何でも可)を15分位煮立てる作業を行い、これを2~3回繰り返します。お茶に含まれるタンニンが鉄と結びつき、臭いや味を抑える効果があるといわれています。その後は慣らし期間となり、内部に湯垢をつける「金気止め」と呼ばれる作業を行います。
慣らし期間
初めの2週間位は毎日使用するようにして下さい。使い始めて数日経つと内部に赤いサビのような斑点が現われますが、そのまま使っていると早ければ1~2週間後位から白い湯垢が付き始めます。それ以降は内部が徐々に湯垢に覆われて、水が美味しくなってきます。内部が赤くても、水が透明で濁っていなければ問題ありませんので、絶対に拭いたり強くこすったりしないで下さい。
※できる限り弱火でより長い時間沸かし続ける方が効果的です(空炊きに十分ご注意下さい)
※慣らし期間中のお湯も飲食に用いて問題はありませんが、匂いや味が気になる場合は使い始めのように茶葉を煮立てる作業を行ってみて下さい。
1. 使い始め: 内部が洗い流され、黒灰色の皮膜が見えてきます。
2. 変化の時期: 所々赤茶色の斑点や流れるような模様が現れ、内部はあたかもさびたような色になります。しかし湯がにごることはありません。その過程を経て、赤茶色になった部分や内部全体に白い湯垢がかすかに見えてきます。口先やフタの周辺に顕著です。
3. こなれた時期: 全体に白い粉がついたように「湯アカ」がついてきます。内部は水質により黄・茶・青みをおびた白い湯アカに覆われてゆきます。(*ただしこの変化の状態や期間は、使用頻度や水質によってかなりの差異があります。)
使い終わったら
乾燥させ風通しの良い場所に保管します。鉄瓶を傷めるため、水を入れたままにしないで下さい。
鉄瓶が熱いうちに中を空にすると余熱で水分が飛び早く乾きますが、水分が残った場合は様子を見ながら弱火にかけ(1分前後)水気を完全に飛ばします(空炊きは絶対にしないで下さい)外側は乾いた布で優しく拭くか、お茶を含ませ固く絞った布で押さえると、鉄本来の黒々とした艶が出てくる効果もあるようです。クレンザーやタワシは内外ともに使わないで下さい。慣らし期間が終わった後もなるべく月に1回程度は使用するようにして下さい。長期間使用しなかった場合は使い始めと同じ作業が必要になります。